伝統的な中国のスポーツを通して、子ども達と警察が絆を深める手助けをするキワニアン達
文：ジュリー・セイター| 写真：デイビッド・カルバート
アンドレア・エリスクは、この子ども達を「透明な子ども達」と呼びます。この子ども達は勉強に一生懸命ですが、スポーツのできる子ども達のように褒められたり、干渉されたりしません。干渉されるのは態度が悪い時のみです。「この子ども達にはあまり注意が払われません。」と、フロリダ州オーランドに住むエリスクは言います。「ところが、ギャングやドラッグ・ディーラーは、そのような子ども達をすぐに見分けます。」
エリスクとオーランド・キワニスクラブのおかげで、ドラゴンボート・プログラムでの、ドゥエリング・ドラゴンズを通して、多くの若者達が信頼とチームワークを学んでいます。ドラゴンボートは、2,700年ほど前の中国で始まったと言われています。参加者は長く細い船に乗り込みます。操舵手と鼓手が20人の漕ぎ手を先導します。一致団結しなければ、波の上をスムーズに進むことはできません。
「漕ぎ手は自分の事は考えていません。」と、エリスク。そして、こうまとめました。「船の上で1つになることだけを考えています。」
エリスクがこの活動を始めた2011年、エリスクはアメリカ中で法執行官と都心に住む市民との間に緊張が増し、衝突が増えていることを憂いていました。そこで、ドラゴンボートが異なる2つのグループの絆を構築するのに役に立つのではないかと考えたのです。オーランド警察はこれに賛同し、警察官10名と若者10名で、最初のチームが組まれました。
チームはスポーツ自体を好きになっただけではなく、最初に出た大会でゴールドメダルを勝ち取りました。オーランドのキワニアンがこのプログラムの事を知り、早速一翼を担いたいと考えました。
「このプログラムは、確実に子ども達の人生に変化を与えています。」と、クラブ事務局長のトム・ポーターは言います。
キワニアンは、10人乗りのボートを寄付し、チーム・メンバーにバーベキューを行い、学生には奨学金を提供しました。2017年、クラブは、チームメンバーであったオーランド署の警察官に追悼の意を表して、コーンホール資金調達活動の収益金を全額（約12,000米ドル）この競技に寄付しました。
今日、プログラムには、セントラル・フロリダのボーイズ・アンド・ガールズ・クラブの参加もあり、新しく2チームが加わり、オーランド消防署員のミックスチームもあります。ドゥエリング・ドラゴンズの参加者であり、元オーランド警察官であるマーティー・マケインは、ドラゴンボート・プログラムのディレクターです。
「この子ども達の警察官に対する印象は、近所に乗り込んできて、近所の人を逮捕する人達です。」と、彼は言います。「長年このプログラムに参加している子ども達は、警察官は悪い人達じゃないんだということを理解しています。プログラムに参加する前までは、警察官と話すことを怖がっていました。… 警察官は、この地域の子ども達が全て犯罪者ではないということを学びました。双方分かり合うことができています。」
オーランド警察署長のジョン・ミーナは、「ドラゴンボートには、チームワーク、信用、リーダーシップ、忍耐力、そして成功のための努力が必要です。ドラゴンボートでは、警察官も子ども達も平等で、お互いを信用しあうことを学びます。関係性の構築は結果として、ドラゴンボートを超越し、参加するすべての人にポジティブな影響を与えています。非常に重要である人生を変えるようなこのプログラムに対するキワニスの寛大な活動に本当に感謝しております。」と、付け加えました。
エリスクは、キワニアンについて次のように話しています。
「私はキワニアンを地球にいるエンジェルと呼んでいます。個人的に手を差し伸べたり、寄付をすることであったり、キワニアンほど献身的な人達を見たことがありません。キワニスという言葉に命を吹き込んだ人達です。」（敬称略）
キワニス 